『第二言語習得研究に基づく最新の英語教育』

第二言語習得研究に基づく最新の英語教育

第二言語習得研究に基づく最新の英語教育

「最新」とはいえ、94年の本なので、out of dateなところもあるかもしれないが、勉強会で必要になり、買って通読。

この手の本をだいぶ読んだのだけど、第二言語習得の入門書を読むといつも思う。

さあ、読んだ。それで、明日からの授業にどこが使える? 何を興味もって授業する?

この問いを持っていないと、単に少し浅めの知識が蓄積していくだけ。

大切なのは、自分の授業を常に批判的に見ようとする力。それがあって初めて自分の授業の問題点を把握する際に、第二言語習得の観点ならどうなのか? という視点がいかされることになる。

たとえば、自分の授業の流れでいくと、最近生徒が退屈そうになる。じゃあ、どうするか。その時に退屈にさせないアクティビティをとにかく闇雲にいれていくのか。もしくは、今自分の授業は何を狙い、その狙いはあっているのか、をまず考え、その狙いを崩さないように改善を組み込むのか。

この二つは大きく違う。まずは、自分の授業を改善したいと思うこと。その後に、何をどうすればいいのか考えるときに第二言語習得の知見を使う。この流れが大事なのであろう。今よりも生徒の役に立つ授業がしたい。その思いがなければ、知識を吸収したいという「渇き」は現れない。

今、興味があるのはリーディングの授業方法。その本はなるべく多く読み、授業に還元したいと常に思っている。

しかしこの本を読んだ後で、だんだん胸の中で大きくなっている問題意識がライティングにおけるフィードバック。これは、切実な問題。なぜなら、フィードバックをどのようにするかで、我々の労働時間が左右されるから。今、自分が莫大な時間を使って生徒のエッセイを読んでいるが、これは本当に効果的なのか? これは死活問題である。

丁寧にフィードバックをすれば、それだけ生徒の理解は進む、という研究結果はあまりないようだ。ネットで見つけたこの論文はなかなかおもしろい。

エラー・フィードバックの明示性と英作文エラー修正との関係 隅田朗彦

また最新の『英語教育』の特集は「英語教師のためのおすすめ100冊」。その中で紹介されているのが

フィードバック研究への招待 ―第二言語習得とフィードバック

フィードバック研究への招待 ―第二言語習得とフィードバック

このあたりを読んで、効率よく、というか無駄なくフィードバックをしていきたい。


教師を初めて16年。そろそろ自分の得意分野を作り、少しは自信を持って教壇に立てる教師にならねば。