研究会まとめ

先日、いつもの学会の研究会へ。
高校の実践発表。

今の主流、プレゼンを目標とする授業。そのプレゼンのトピックはそのプレゼンのために急に用意されたものではなく、その前にきちんと読むものを読んで、その内容に関連したアウトプットの題材としてある。

私は現在中学1年の授業を担当しているので、深い内容のプレゼンは無理にしても、アウトプットのことにはいつも頭を悩ませている。

第2言語習得の概念で言っても大量のインプットと少量のアウトプットという概念は基本であろう。

授業でプレゼンをさせるにはかなりの時間を必要とする。プレゼンの準備を授業でさせる必要もあるだろう。実践のビデオではパワーポイントを使っていたので、そのスライド作成も大変であろう。そして肝心なのはプレゼンをみんなで聞くという時間が必要なことだ(もちろん、この部分では発表者はきちんと対策を練っていた)。ペアで行う発表なので、プレゼンの準備はある程度日本語でのやりとりが多いだろう。この時間が生徒の英語力の伸長にどれほど寄与しているかが大切だ。

他の発表で、読み取ったレッスンの所謂リプロダクトをプレゼンする授業実践を見たことがある。これは準備に要する時間も新トピックで行うよりはかなり少ないであろう。

様々な要素を考えると、リプロダクトの方が現実的かもしれない。

そうは言っても、今回の授業実践での肝は、読んだものから着想を得て、自分のことを語るプレゼン。だから、その要素はリプロダクトでは叶わない。この取り組み自体は素晴らしいと思う。結局、アウトプットとは最終的に自分のことを語ることが大切になるからだ。このよく練られた授業は色々なことを考える良いきっかけになった。

でも、誤解を恐れずにいうなら、英語以外の授業で対応可能なことというのは、他で行った方がいいと思うのだがどうだろう。平和教育なども国語や社会で扱ったほうがよほど効率良くできると思うのだ。

日本語を母語にする話者が英語を使えるようになるには膨大な時間を必要とする。そうであるならば、授業時間はなるべく早く「大量のインプット」に関わる時間にするのが得策か。