『 AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子

 

 だいぶん遅れたがやっと読んだ。とても読みやすい本で1日で読み終える。

面白い点は多々あったが、自分の職業、そして興味のある分野ということに引き付けてると、それは、AIに負けないための大きな要素に、読解における推論の力が取り上げられている点だ。新井紀子は推論を

文の構造を理解した上で、生活体験や常識、様々な知識を総動員して文章の意味を理解する力

と定義している。彼女が言う「教科書が読めない」というのは、多くの子供が推論などの前に、照応や係り受けを理解する力がないということなのだが、自分としては推論を行う力がAIにはなかなか持てない力であるという事実が興味深かった。

英語授業で言えば、様々な生徒がいるので、照応もしっかりと確認しながら、推論まで持っていき、そのような「回路」をしっかり開いておく事が大事と再確認。言い方を変えれば、推論などにばかり気を取られていると照応も満足に行えない生徒の力を伸ばしきれない。やはりそこは照応の確認も行いつつ、発問の難度にはグラデーションをかけていくしかない。