『英語教育を知る58の鍵』松村昌紀

 

英語教育を知る58の鍵

英語教育を知る58の鍵

  • 作者:松村 昌紀
  • 発売日: 2009/01/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

教員を目指す学生が読むための本のようだが、興味深く読んだ。とにかく授業にまつわるあらゆる視点について書いてあるので、どこが最も印象に残った、という感じでもない。でも、今ちょうど期末考査をやっていたりするので、テストのところが気になったかもしれない。本当に当たり前のことだけど、改めて文章で読むとそうそう、となる。

 

「意図的であろうとなかろうと、何が重要だと出題者が考えているかについてのメッセージを、テスト問題が受験者に伝えている」(p. 188)

 

それはそうだ。でも、だからこそ共同でテストを作るときというのは、議論が思わず熱くなったりするのだろう。マテリアルの取り扱い方はもちろん、採点の仕方等、こだわりポイントはたくさんあるので、なかなか難しい。

 

例えば、一緒に授業をしている同僚が、使っている副教材の問題をそのままテストに出題すると言ったらどうだろうか。授業の重要さを伝えるにはいい出し方だと思うか、これじゃあ、ダメだと思うか。ダメだと思うなら、それはなぜダメなのか? それは常識的にダメ、となるならその常識とは何か?

 

定期考査とはachievement testなのだから、こちらが教えようとしていたことについて、どこまで到達できたかを測るテストなのだ。同じ問題をもう1度解いてできるということであれば、そこで教師がachieveして欲しいものとはなんなのか。やはりそこにはタスクとしてのゴールがないということになるであろう。それはあまりにも「形式」に焦点が当たっており、もし「意味」を伝え、理解するということをゴールに置いているなら、同じ問題をもう1度解かせようという出題にはならないはずだ。

 

なんてこともきちんと考えないと、議論にならない。疲れるけど、意味のある作業だ。

教師なんて何年やっても、こういうビギナー本が面白いというのは、何なのでしょう。きっと、自分が成長していないことも大きく関与してるんでしょうけど、やはり教師って守備範囲が広すぎて、なかなか熟達しないんでしょうね、一つのことに。一番何を知らなければならないのかを、自分で決めないといい加減ダメなのかもしれません。

 


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