『謎解き英文法 動詞』 sufferとsuffer fromを巡って
英語表現の授業で、和文英訳も行なっている。
その際、自分が作った答え、教材付属の模範解答を自分がネイティブスピーカーに聞いて修正したもの、それ以外で生徒が解答しそうなもの、で自分なりの授業案を練るわけだが、それでも想定していなかった答えを生徒は書くものである。
その際も、自分の知識内で正誤、もしくはニュアンスの違いをその場で言えるに越したことはない(もしできなければ持ち帰るしかない)。
その際の知識のストックが教師として必要だ。
この間、この本を読んでいたからこそ、ある種のドヤ顔で言えたことがある。
こんな問題があった。
「今回は(その台風による)大きな被害がなければいいが。」
模範解答は
I hope we don’t suffer any heavy damage this time.
自分としては、この解答がすんなり出て来たし、他の可能性も考えて授業に臨んだ。
生徒の多くが
I hope we don’t suffer FROM any heavy damage.
と書いて来た。この答えは迂闊にも検討していなかった。。。
ここで、fromの有無で何が違ってくるんだろう、と生徒が言い出したのだ。
そこで、上記の本のことが頭に浮かんだ。
- 作者: 久野暲,高見健一
- 出版社/メーカー: くろしお出版
- 発売日: 2017/03/26
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この本では4章において
The cat scratched the door.
The cat scratched at the door.
の2文の違いについて語られている。
前置詞を取るパターンと取らないパターンの差異を説明してるのだ。
この違いは、前置詞なしパターンは目的語にあたるものに大きな影響があるということ、前置詞ありのパターンはそれほど影響がないということである。
このパターンが、授業でのsuffer, suffer fromにも応用できる。
病気の場合はfromを取るのは、「物理的に」何か大きな影響がないからだろう。
上の例で言えば台風が来て、家が吹き飛ばされればfromはいらないだろうし、その台風のせいで野菜が採れなくなって困ればfromありというところか。
英語の教師の自己研鑽は多岐にわたるのである。