『英語で話すヒント』 小松達也

久々の更新。新学期、バタバタしてました。

今回読了したのはこの本。
通訳者の書です。

前半部分。英語を聞いて理解し日本語で話す、日本語を聞いて理解し英語で話す、という通訳の仕事の心構えのようなものが書かれているところが非常に面白かった。いわゆる英語の達人であっても、とても苦労して言語と戦っている感じがいい(彼が帰国子女ではなく一から苦労して英語を身に着けたというバックグラウンドが内容を興味深くしている)。

後半のこの日本語はどう英語にするか、みたいな話は少し冗長か。(甘え、にやにやなどの言葉)

通訳者の方の本を読むと、よく出てくる言葉は「イメージ化」。相手の言葉を聞いて理解しようとするとき、言葉としてだけ情景を捉えるのではなく、「絵」、イメージとして頭に意味を残すということでしょうか。言語学習の一環としてリスニングに立ち向かうと1語1語に気を取られて、「絵」が出てこないというのはよくあること。そのイメージがうまく出てくると、話題から大きくそれることもない。
ただ、注意しなくてはならないのは大きく絵を取る練習のためには、やはりその絵にとって大事なパーツ、パーツを確実に聞き取る必要があるということ。このためには1語1語の理解も不可欠。要はバランスの問題。生徒にリスニング練習を課すときも、イメージ化とパーツ集めは両方させないと意味がないのかもしれない。