『英文の読み方』行方昭夫
- 作者: 行方昭夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/05/22
- メディア: 新書
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今、行方本を一気に読んでいる。高校3年の担当で、多少難しい英文を読み解く授業なども担当しているので、自分の研鑽の意味も込めて。
彼が著作の中で扱う英文はとても格式があって、勉強になるものが多い。これも長年の経験で「良い」英文を貯めてきた結果なのだろう。
入試問題を扱う際にも、生徒に伝えたい言葉が散りばめられている本だった。(自分では理解していることでも、キャッチーな言葉で言われると、なんだか嬉しくなる。あ、それそれ、みたいな)
例えば、
一般に英語の論理では、相手に意外だと思われる発言をしたら、その理由を説明するのが、発言者の当然の義務です。
👉英語は発言の根拠を説明することにこだわる言語
この「こだわり」の例として。
(略)ある言葉を使用した理由を補足して述べるときに接続詞forを用いるという用法があるのです。多くの場合、聞き手、読み手が、「あれ?」と思うような言葉を使ったときに登場します。
それから
生徒は時として、「これは意訳していいですよね」と聞いてくる。完全に英文を理解して「意訳」と言える生徒は少ないが(よくわからない英語の部分を「意訳」で逃げることが多い)、生徒の言わんとしていることは、以下の内容に関連していると思われる。
(略)私は英文和訳と翻訳が全く別物とは思わない立場を取っています。強いて差をいうのなら、前者は基本的に日本人が英文を理解するための補助的な役割果たすのに対して、翻訳では訳文が独立して読めることが要求されること、と言えるでしょうか。
これに倣えば、大学入試においては、前者で事足りるのではないかと思う。採点者は和訳部分の前後の内容を知っているわけだから、日本語として崩壊していなければ、独立して理解出きる和訳でなくとも満点はもらえるはずである。(要約問題は、独立して理解できるものでなければならないと思うが)
この本の中でも、なかなか理解が難しいものがあった。私自身もまだまだだな、と痛感。