物語を読むということ


中1の教科書も終わりに差し掛かる。最後は読み物教材がついている。
One Worldの場合は児童文学を扱う。
僕自身、文学畑出身なので読みものを扱うのは大好きだ。ただ、自分の好きなやり方で望めないことが多いので(やろうと思うと大変なので)、中々難しい。

文学を扱う効能は

・何はともあれオーセンティック。
・次を読みたいという読み手にドライブがかかる。
・言葉が選び抜かれているので、リズム、響きが美しい。

裏を返せば上記のようなことが、授業で反映されない限り、読みもの教材は扱ってもつまんないのである。上の点に照らして、One Worldの教材を見てみるとこんな問題が。

・この教材はまずオーセンティックとは程遠い。中1の語彙レベル、文法レベルに合わせるために書き換えが大きくされている。

・その書き換えがあったとしても、わずか数ページの話の中に新出単語が40以上ある。これではドライブがかからない。

・書き換えがあるので、言葉を選ぶ抜くのはおおもとの作者ではなく、書き換えをした人。そんなに美しくない。


それを解決すべく、今回は少し工夫をしてみる。

・この作者の他の作品を原典で読ませる機会を作る。

・語彙の問題は辞書指導と絡めて乗り切る。

・リズム、響きの美しさを味わうために、著者自身の朗読CDを聞かせてみる。

これで少しは自分のやりたい方向に行くかなと。

あとは、扱える素材が彼らの知的レベルと合致しにくいということである。
日本語で読むとなれば、本来彼らの興味のいく本は大人用だ。
この溝を埋めるのには、ポストリーディングの中で多少は可能であろうか。
単なるQAではなく、内容に踏み込み、自分に即して考えられる問いを発する。
答えは英語でなくともよい。もちろん英語がいいのだかが、中1となるとそうもいかない。
少しでもその内容が頭に残るような問いが発せられればいうことはない。

さてやってみよう。