『「なんで英語やるの?」の戦後史』
「なんで英語やるの?」の戦後史 ??《国民教育》としての英語、その伝統の成立過程
- 作者: 寺沢拓敬
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2014/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一気に読んだ。
著者の寺沢氏のKATEの発表を明海大学で聞いた。発表は小学校英語についてのものだったが、そちらも面白かった。その時は小学校英語についての世論の性質について。その時もこの本を買ってはあったのだが、まだ読んでいなかった。
彼はこの本の「あとがき」で言う。
・・・一見強固な基盤が、実はいくつもの不安定さを抱えていることに目を向けてもよいのではないだろうか。そのような不安定さを直視することは、英語教育のあり方に自己相対化を促すことであり、妥当性のいっそう高い目的論を構築していくことにつながる。
英語教育自体、目的論にしても強固なものを持ちえていない。はやりの教授法だって、結局は昔から言われているものを下敷きにしたもの。英語で授業だって、初めての試みではなく、1度乗り越えられてものではなかったか。要は、歴史が繰り返しているだけなのか。そのいわゆる「偶然の産物」を生業としている我々に、この本は大きな質問をぶつけている。
なんで、みんなに英語を教えているのですか? と。生徒にどんな力をつけるのですか? と。