英語教員研修

 私は勤務校で英語教員による英語教員のための勉強会が円滑に行えないかと現在思案中である。ちょうどその折、『英語教育』で教員研修の特集。何たる偶然かと思った。
 私は現在、都内の私立中高一貫校に勤務している。英語科で自前の教員勉強会をぜひ開きたいと思っているのには幾つか理由がある。
 まずは私立学校の教員向けで、皆が出席を義務付けられている研修というものはないということ。よく言えば時間のあるときには自分の好みの研究会等に自由に参加できる。しかし、裏を返せば、そのようなものに興味を待たないなら、何の刺激も受けないまま長い教員生活を続けることにもなる。自分の職場という身近なところで勉強する機会があれば、きっとそれはいい刺激になる。自分の興味のある分野を他の教員と一緒に考えることもできる。異動の極端に少ない私立教員の利便を活かし、同じメンバーで様々なトピックを時間をかけて掘り下げられるのではないか。
 また私立の所謂進学校では大学受験の結果をどうしても気にしてしまう傾向がある。それはある程度仕方のないことだとしても、その傾向が新たな英語教育に取り組まないことへの言い訳にはなっていないか。教師は「受験のための授業」を自らの体験だけで構築し、新たな挑戦をしないということにはなっていないか。「受験」ということにいつも問題意識を持つためには、英語教育の潮流にある程度はキャッチアップし、自分の授業力を相対化しなければならない。そのためには同じ問題意識を持つ仲間と勉強する機会はぜひとも必要であろう。
 そして私立学校は受験生には試験を課し、取りたい生徒を選抜しているのだから、生徒の質はある程度均質である。そうであるなら、その生徒達に合った教授法を大まかにでも教える教員が共有できたなら、それほど理想的なことはあるまい。その共有化に際しては仲間との勉強は不可欠である。
 当然私立、公立、関係なく教員が自分の教師力に自信を持つことは、教壇に立つ際絶対に必要だ。みんなで生き生きと学びあえる職場にしたい。