『英作文参考書の誤りを正す』


この本の初版は1982年。古いですね。
 この本はその当時本屋に並んでいた本の英語の誤りをとにかく切りまくるという趣旨。ここで紹介する必要のない有名な本。でも、この本を読んでみると、書かれている誤りはいまだ中高の現場で教えられているものもあるし、参考書から記述が消えていないものがたくさんあると感じた。これは最先端の言語学研究の知見を知らなければなどという大げさなものではなく、丁寧に良質の本を読めば避けられることだ。自分も含めて、生徒にえらそうに教える英語に最低間違いがないようには気をつけたい。
 この本では語の選択についてもそれなりに紙面が割かれている。(例えば、「田舎の自然」は "rural nature"や"nature in the country"ではだめで"rural surroundings"がいいとか)。この辺のことは、信頼のおけるネイティブスピーカーの活躍場所であろう。自分の勤務校にも信頼の置けるプルーフリーダーがいる。彼のような人と授業ができて、組む日本人教員が言語に素直に向き合えばかなり良質の英語が提供できそうだ。
 ネイティブの教員が珍しくない今でも、不自然な英語を載せている本がたくさんあることは残念だ。
 「英語」そのものに注目がいっており、本が良く売れる分、英語の参考書類は玉石混交である。
 英語教員として良著に出会える手段が絶対に必要であろう。