ここがおかしい日本人の英文法III T.D.ミントン著


比較構文が気になり、この本を手にとる。
ああぁ、と思ったのは

She is the most beautiful in the world.

が誤りであるということ。theの後ろの名詞が誤って省略されているから。


それから

最上級と同じ意味を表わすからと言って、書き換えによくでてくる

Taro is taller than any other student in his class.

という文が最上級とまったく同じかと言うと、かなり意味が違ってくるという点。



「英文法」という授業は学校現場でも、まだ幅を利かせているが
実は国が定めた教科書がない。正規科目としてないから。(その分、現行のカリキュラムでも英語I、ライティングなどではかなりの紙面を割いて文法の説明がなされている。)

この状況下、我々教員は所謂「文法系の教科書」を自ら探し、採択し、使用する。
だがしかし、言い古されたことだがこの手の「教科書」にはだいぶ「だめ」な記述が散見
される。

unsensoredな状態というわけだ。


上で挙げた2文ををこの『日本人の・・・』の説明に矛盾しない形で教室で教えている教員、
もしくはそれを配慮し、間違いのないように教えている教員はどれくらいいるのか。
文法に偏重するのは好みの問題かもしれないが、そのせいで我々は生徒にうその文法を
教えてしまうことだけは避けねばならない。